公報

税務署の「お尋ね文書」のトリセツ(取り扱い説明)
1 目的
税務署が納税者の資金の出所等「カネの流れ」を掴むために、納税者に送られてくる文書のこと。昔から多額の動産や不動産を買ったら送られてきていた。今は銀行情報はもちろん、KSKシステム、地方自治体からの情報、カネを受け取った側(かねの支払者)の銀行送金や領収書等の支払等を元に、送られてくる。

2 法的位置づけ
この税務署からの「お尋ね書」は、行政手続き(行政指導)の位置づけにある。つまり当該文書の納税者への発送は税務署職員による「質問検査権」の発動ではない。従って、この行政指導に対しては、納税者として法的には対応しなくても罰則はない。

しかし、日本弁護士連合会の見解では、税務署からの納税者に対する「お尋ね文書」は、国税に掛かる税務職員の質問検査権に該当する可能性がある。つまり弁護士連合会も否定する明確な規定はない。

3 納税者の執るべき対応
「お尋ね書に回答する必要はない。」と断言するのは、法理に反する。できるだけ回答すべきである。回答ができないなら、その旨を理由を添えて提出し、回答できるときに、回答するよう努めるべきである。

特に 特に税理士が、理由の遺憾を問わず偉そうに「回答の必要はない。」と云うと、納税者はその理由を失念して、「回答する必要がないと税理士が言ったから、回答しなかった。」と云うことになりかねない。そう云う税理士は配慮に欠けた専門家でありどの専門分野かに関らず戴けない。

2021年1月13日文責税理士堂上孝生どうがみ