キャッシュフロー計算書

◆キャシュフローとは
 キャッシュフロー計算書の
 ・「キャッシュ」とは、現金と3か月以内に現金になる売掛金等(資産)を指します。
 ・「フロー」とは、お金の行方(ゆくえ)のことです。
  具体的には「会社のお金が、売掛回収などによってどれだけ増え、投資などによりどれだけ減ったか」を
  計算する、つまり「会社のお金の増減」を説明する。そのツールがキャッシュフロー計算書、という訳で
  す。

 キャッシュフロー計算書とは「お金の行方計算書」というわけです。
 ・行方を追うためには、起点が要ります。
  その起点は、損益計算書の「純利益」を基にして、どのようにお金が流れフローして、どのように(何に
  よって(社員のどのような活動が原因で)、幾ら増減した結果になるのか、
  そして、その結果、今期は幾ら貯まったのか(ストックした状態にあるのか)を探ります。

◆キャッシュフロー計算書の内容解説
 社長は「B/S(資産負債調べ)」や「P/L(儲け調べ)」からでは「お金の行方」は直接的には解りません。
 財務三表(財務3表)の貸借対照表B/S,損益計算書P/L(I/S)に加えて、キャッシュフロー計算書CFSが
 どうしても、お金の行方を社長に説明するためには必要なのです。
 1.損益計算書P/Lの特徴
   売上(収益)、費用は、会社のお金の動きとは必ずしも一致するルールになっていません。
  収益-費用=利益。この利益の動き(フロー)からでは、「お金」自体のの動き(フロー)は解らない、
  ということになります。

   収益-費用=利益、収入-支出=お金残高は、タイミングの違いでややこしいのです。期を跨いだり、
  期中でも違った時点では、辻褄はあうのです。

   会計上の,収益-費用=利益,の各項目は、過去・現在・未来の時間差を度外視すれば、現金主義会計
  の,収入-支出=お金の残高,と合致します。

   ⓵ P/Lから読み取れる情報
     ㋑ どれだけの費用が発生したか(発生主義会計で経理しています)
     ㋺ どれだけの収益が実現したか(実現主義会計で経理しています)
   ⓶ P/Lから読み取れない情報
     ㋑ 費用の発生により、どれだけお金が減ったか(発生主義による費用 ≠ 現金主義の支出)
     ㋺ 収益の実現により、どれだけお金が増えたか(実現主義による売上 ≠ 現金主義の収入)

 2.キャッシュフロー(CF,お金の増減)の計算方法
  (1)会社が儲けに向かう活動別のセグメント化
     ⓵ 営業キャッシュフロー(営業活動によるCF)
       ㋑ 売上によるお金の増加
       ㋺ 仕入,経費の出費によるお金の減少
       ㋩ 売掛金の回収によるお金の増加
       ㊁ 買掛金・未払金の支払によるお金の減少
     ⓶ 投資キャッシュフロー(投資活動からくるCF)
       ㋑ 投資によるお金の減少
       ㋺ 配当時に入るお金の増加
       ㋩ 投資の引き上げ(株売却等)によるお金の増加
     ⓷ 財務キャッシュフロー(財務活動によるCF)
       ㋑ 銀行融資(借入)による入金でお金が増加
       ㋺ 銀行利息の支払によるお金の減少
       ㋩ 融資返済による出費でお金が減少
  (2)CF計算の方法
     ⓵ 直接法
       逐一の取引について、お金の増減を記録する。
       手計算では大変な労力が必要。しかしコンピューターソフトなら簡単。
       しかし余りスマートなやり方ではない(殆ど使われない)。
     ⓶ 間接法
       「当期純利益」に「お金の出し入れ」を調整して、お金の純増を計算する。
       殆どがこの方法によりCFS(キャッシュフロー計算書)が作られます。
     技術的なことを細かくアドバイスして私の知識をひっけらかすより、
     全ての会計ソフトは、義務的な財務諸表の一つであるCFSを、自動出力してくれます。
     心配ご無用と云う訳です。
     その読み方は、上記のような知識で十分に読みこなせます。
     例えば、減価償却費の計上がされている決算書を診るときは、
     「出費が伴なわずに経費」になる減価償却費は、純利益をCFを増やすと考えるわけです。

  (3)CFS作成上で社長さんに協力依頼
     ㋑ 税務署に義務的に提出義務のある「事業概況書」の記載事項を、細かく書き込んで下さい。
     ㋺ 弊社では会社設立当初には、法人成り(個人事業の法人化)の社長さんには、個人事業を
      会社(法人)に譲渡した処理をする関係で、必ず「会社設立時の事業概況書」を記入して、
      期首残高の間違いがないよう注意をしています。