1. 保存帳簿の範囲
主な経理帳簿だけでも、以下の9種類です。
大切なことは、コンプライアンスは大切だから法令順守は抜かりなく行う。
しかし仕組みとして、第2項「自動作成」「自動保存」が大切です。何故か?「作成と管理に時間が不要!」
法律が作れと要請する帳簿書類は次のとおりです。
重要度
名簿名
記載内容
自動経理ソフトによる作成可否
必須
仕訳張
取引の年月日、附番、タイムスタンプ、取引の内容、勘定科目、金額 (取引発生順に記載)
可能
”
総勘定元帳
勘定ごとの記載の年月日、相手勘定科目、金額
可能
”
棚卸表
期末日において、棚卸資産の棚卸し、その他決算のために
必要な事項の整理を行い、その事績を明瞭に記録
可能
必要に応じて備付け
現金出納帳
取引の年月日、事由、出納先、金額、日々の残高
可能
”
当座預金出納帳
預金口座別の取引年月日、事由、支払先、金額
可能
”
売掛帳
客先ごとの取引年月日、取引内容、金額、請求日など
可能
”
買掛帳
取引先ごとの取引年月日、取引内容、会額、請求日など
可能
”
経費帳
経費科目ごとの取引年月日、取引内容、宣額、勘定科目など
可能
”
固定資産台帳
固定資産ごとの資産の種類、名称、取得年月日、取得価額、減価償却方法、耐用年数、償却率、減価償却費、減価償却累計額、帳簿価額など
可能
”
受取手形帳
受取手形番号、客先名、取引年月日、取引内容、金額、裏書記録(支手相殺)、回収約定日など
可能
”
支払手形帳
支払手形番号、取引先名、取引年月日、取引内容、金額、裏書手形充当記録(受手相殺)、支払約定日など
可能
2.自動作成(自動電子帳簿保存)
弊社が推奨する「freee株式会社」製のクラウド会計ソフトを例にとって説明します。
自動作成するのは、次の工程によります。
また「インターネットバンキング」の利用により、銀行勘定も会計ソフトに取り込まれて、自動的に、
経理仕分されます。
スマホやスキャナーで自動読取された領収書・受取請求書(買掛金)は各々、電磁イメージ化され㋑附番
と㋺タイムスタンプ記録され、㋑㋺タッグ付きで、電磁記録されます。もう「紙ベース」の領収書・請求書
は保存が必要ありません。
その次のステップとして、自動仕訳張が作成されます。そこまでが最新技術による領収書・請求書の自動
読取りの仕組みです。そして既に開発されていた「インターネットバンキング」情報の会計ソフトによる読
み込みが行われ、自動仕分情報が会計ファイル内に移入されます。
もちろん「インターネット情報」は、どんな優秀な会計事務所でも、社長に聴かないと解らない「通帳」
情報があります。その修正は仕方ないと考えます(税理士責任で修正します)。
3.おわりに(当事務所のオピニオン)
経理の「自動仕分け」が現場で利用可能になりました。
そして元々「自動電子帳簿保存」がPCソフトの中で保存され、その合法的な「電子帳簿保存」が政府により
認められたことで、経理作業は、質的に革命的な「自動化」の時代を迎えています。経理は楽になりました。
素人化された経理現場は、賢い社長さんたちにより、次の経営革新へと進むはずです。
それは、経理の「在宅処理化」です。経理の在宅勤務化、経理の在宅外注処理化(在宅経理化)が進みます。
ただそのためには、どのPCででも、どこでも、経理ができる「クラウド会計ソフト」が無ければなりませ
ん。所謂「片道クラウド」と云って、会計ソフトは従前どおりにCD搭載を義務付ける「ライセンス縛りの
クラウド会計」では、劇的な経理の在宅勤務化は難しいと思います。
大手企業が自社でサーバーを、「仮想空間」の巨大情報センターに見立てたやり方をすれば機能的には、
疑似クラウドですが、サーバーの信ぴょう性には問題が残ります。増して会計事務所のサーバーを「仮想
空間」に見立てたやり方では、「会計情報の単一性」すら確保が難しくなります。あっちこっちに、一つの
会社の会計情報があってはいけないのです。
会計情報は「単一情報」。サーバーやCDごとに「会計情報の写し」が存在するのは、クラウド会計では、
ありません。これは「クラウド会計とは?」という命題の本質に突き当たる問題です。
そういう意味で、freee社のクラウド会計は、問題なく最新の真正クラウド会計ソフトです。FMもそうで
す。A-SaaSも真正なクラウド会計ですが、自動経理化・自動電子帳簿保存化が遅れています。以上